『涼宮ハルヒの憂鬱』の『エンドレスエイト』を観ていたら、毎回「僕では役者が不足しています」というセリフが出てくる。
一度だけならまだしも毎回登場してきて、さすがに違和感が積もり積もってきたので、一応改めて調べてみた。
結果、案の定「そんな言葉はない」が結論。
どうやら「役不足」に対する言葉として使われ始めたみたいだけど、それなら「力不足」とか「荷が重すぎる」とかで良いと思うんだが……?
初めて使われたときは「うまいこと言うなぁ」みたいな感じだったのかも知れないけど、ここまでフツーに誤用が定着するとそうも言ってられないような気がする。
これだけ堂々と何回も使われるとなぁ。
中身と関係ないところに意識がいってしまうので、作り手にはこういうことをもうちょっと気を付けて欲しい。
役者不足という言葉は広辞苑などの辞書には載っていない造語である。
『役不足の逆の意味の単語として使われている』と解釈する人と『役者の人数が足りない』という意味しかないと解釈する人がそれぞれ存在し、意味がはっきり定まっていない。後者の意見を採用した場合、『役不足』の代わりに使うとやはり誤用となってしまう。誤用が転じて正しい意味になるケースもあるとはいえ、現状ではこの言葉を使うと読者からツッコミを受けてしまうかもしれない。ツッコまれたく無い時には、『力不足』に置き換えておけば問題が起きにくい。初出は田中芳樹の小説『創竜伝』ではないかと言われているが諸説ある。
ただし、かなり最近になって登場したまだ時代の浅い言葉ではあるようだ。
役者不足とは (ヤクシャブソクとは) [単語記事] - ニコニコ大百科
「力不足」や「役不足」などと取り違えられたり誤用されたりして使われる表現。「力不足」は力量や能力が不足していること、「役不足」は能力に対して役目や訳が簡単過ぎること。「役者不足」という誤用は、通常「役目に対して能力が足りない」という意味で使われることが多い。
役者不足とは - 日本語表現辞典 Weblio辞書