打ち上げ花火

調べたこと

「煙火」は法律用語だった! 「花火」との違いや歴史についても解説します。

今年も大曲の「全国花火競技大会」が行われましたね。

僕は NHK BS で観てたんですが、テレビ越しにも花火の迫力が伝わってきました

現地で観てたらどんなに素晴らしかったか……。

 

この花火大会には、全国の花火師さんが参加しています。

テレビ画面にもその団体名・会社名が表示されていたんですが、「○○煙火」という名前が非常に多かったのが印象的でした。

これまでそんなところを気にしたことは無かったんですけどね。

 

「煙火」って何なんでしょう?

気になったので調べてみました。

「煙火」は法律用語

煙火」とは法律用語で「花火」のことを言います。

花火は「火薬類取締法」という法律によって規制されているんですが、その中での表記が「煙火」なんですね。

だからなのか、花火の会社もほとんどが「煙火」が付いた名称になっているそうです。

花火を法律用語でも、「煙火」と言います。堅苦しい感じがするかも知れませんが、 花火会社は、ほとんどこの名称を使っています。**煙火店、**煙火、**煙火工場、**煙火製作所などです。意外に**花火という会社は、珍しいのです。
花火素朴な質問 | 花火ワールドに光る職人芸 磯谷煙火店 Art of Hanabi

 

言葉としては「花火」よりも「煙火」の方が古いとのこと。

大正以前の資料には「花火」の文字はなく、「煙火」という言葉しか出てこないそうです。

最初に「花火」という言葉が出てくるのは昭和 7 年になってからなので、意外にも新しい言葉なんですね。

大正以前の資料をよく調べても花火という言葉は見つからず、すべて「煙火」と記されています。最初に花火という言葉が現れるのは、昭和7年(1932)「養老公園で全国花火競技大会」と見出しのついた新聞記事です。また、昭和5〜7年に撮られたと予想される前工場の工室にカタカナで「ハナビ」と書かれています。
煙火ってなあに? | 花火ワールドに光る職人芸 磯谷煙火店 Art of Hanabi

時代が進むにつれて徐々に「花火」の方が優勢になってきますが、一般的に普及するのは昭和 20 年代後半になってからのこと。

「火薬類取締法」が施行される昭和 25 年(1950 年)よりも後のことです。

なので、法律用語としては「煙火」という表記になっているわけですね。

会社名は「煙火」と「花火」のどっちが多い?

それでは、「大曲全国花火競技大会」に参加した団体や会社の名前はどうなっているんでしょうか?

テレビ画面で見ている分には「○○煙火」が多かったように思いますが……。

参加したすべての団体・会社の名前はデータがないので分かりませんが、公開されている審査結果を基に書き出してみましょう。

第 93 回全国花火競嶺大会 褒賞一覧(PDF)より抜粋)

団体名・会社名
○○煙火 (株)小松煙火工業、(株)磯谷煙火店、響屋大曲煙火(株)、(有)伊那火工 堀内煙火店、信州煙火工業(株)、(株)丸玉屋小勝煙火店、(株)青木煙火本店、紅屋青木煙火店、(有)片貝煙火工業、(有)篠原煙火店、(有)菅野煙火店、三遠煙火(株)、阿部煙火工業(株)、新潟煙火工業(株)
○○花火 野村花火工業(株)、(有)菊屋小幡花火店、高田花火工業(株)
その他 (株)マルゴー、(株)ホソヤエンタープライズ

やはり圧倒的に「煙火」の方が多いですね。

カタカナの会社があるのは意外でしたが……(^_^;)

 

「花火」と付いている会社は新しいのかと思いきや、調べてみるとそんなことはなさそうですね。

野村花火工業(株)は明治 8 年(1875 年)の創業

(有)菊屋小幡花火店は明治 5 年(1872 年)の創業です。

(高田花火工業(株)はデータが見つからず)

「火薬類取締法」ができるよりずっと前ですね。

 

その頃にはまだ「花火」という言葉はなかったはずなので、創業当時はやはり「○○煙火」という名前だったんでしょうか

どこかのタイミングで現在の社名に変更したんでしょうね。

 

なぜ「煙火」ではなく「花火」を採用したんだろう……(´-`)

親しみやすさ……とか?

気になりますね……。

「煙火」と「花火」についてまとめ

「煙火」と「花火」は同じものを指す言葉だったんですね。

ただ、「煙火」は法律用語であることと、「花火」よりも古い言葉だということが分かりました。

花火を手掛ける団体や会社の名前に「煙火」が多いのも、それが理由だったんですね。

 

「花火」が割と最近の言葉だというのも意外でした。

かなり昔からある言葉だと思っていましたが……。

調べてみると意外なことが分かるもんですね。

-調べたこと
-, ,