人を小馬鹿にして笑みを浮かべる会社員

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「高を括る(たかをくくる)」ってどういう意味? 「高」という漢字が使われてる理由は?

高を括る(たかをくくる)」という言葉があります。

相手は弱小だと高を括っていたら、あっさり負けてしまった」みたいな使われ方をする言葉です。

 

なんとなく意味は分かるから使ってるけど、本当のところはよく分からない……。

という人も多いんじゃないでしょうか。

 

また、漢字も意外じゃないですか?

「高」という字を使うんですけど、なぜこの字なんでしょう?

また、「括る」も単体ではよく使う言葉ですが、よく考えたら何を括ってるかよく分かりませんよね?(笑)

 

そこでこの記事では、「高を括る」の意味、「高」という漢字が使われている理由などをまとめてみました。

「高を括る」の意味

「高を括る」には、主に 2 つの意味があります。

  • この程度だと安易に予測する。
  • 大したことないと見くびる。

実際に使われるときは、2 つの意味がセットになっていることが多いですね。

 

つまり、

  1. 相手のことをよく知りもしないのに「こんなもんだろう」と勝手に決めつけ、
  2. それだったら大したことないと見くびったり侮ったりする

という感じでしょうか。

 

ただ単に「安易に予測する」という使われ方もあるそうですが、一般的には「見下す」「馬鹿にする」というニュアンスが含まれていることがほとんど。

加えて、「その予測や評価は間違っている」という意味合いが「高を括る」という言葉には含まれています。

「高を括る」はどうしてこの漢字? 「高」はどういう意味?

それでは、「高を括る」はどうして「高」という漢字が使われているんでしょうか?

「高」という漢字には、「金額や数量の総量」という意味があります。

残高」とか「出来高」とか言いますよね。

その「高」です。

 

たかが知れている」という言葉もありますが、これも実は「高が」と書くんです。

あとは「たかだかそんなもの」も「高々」ですね。

知ってましたか?

僕は知りませんでした(^^;

これらの「高」も「総量」、つまりは「相手の能力の全て」という意味です。

 

そして、「括る」は「まとめる」とか「物事に区切りを付ける」といった意味があります。

 

つまり、

「安易に予測して、それで終わり」

という感じですね。

「高を括る」の由来

「高」と「括る」を単体で見ると、そこには「安易に予測」や「見下す」といった意味は含まれていないように思います。

どうして「高を括る」になると、そのような相手を馬鹿にしたようなニュアンスの言葉になるんでしょうか?

それは「高を括る」の由来に理由があります。

 

この「高を括る」という言葉が使われ始めたのは戦国時代

その元になったのが「石高(こくだか)」です。

これは「米の生産量」を表したもの。

羽柴秀吉が行った「太閤検地」が始まりですね。

その頃から「石高」が国力を計る指標の一つになりました。

太閤検地以後江戸時代を通じて、田畑や屋敷などの土地の価値に至るまで、面積に石盛という一定の係数をかけて米の生産力に換算して石単位で表示するようになった。このような制度を石高制と言い、米以外の農作物や 海産物の生産量も、米の生産量に換算されて表された。大名をはじめとする武士の所領からの収入や俸禄を表す場合も石高を用いた。
石高 - Wikipedia

 

「一石」は大人一人が一年に食べる米の量

ということは、有名な「加賀百万石」は「大人百万人が一年間食べる量の米」を生産できるということですね。

加賀すげぇ!( ゚д゚ )

「1石」とは、「大人が1年間に消費する米の量」のこと。1食に米1合食べるとすると、1日3食で3合を消費します。それが365日だと3合×365日で1095合となるわけで、この概算から、1000合をひとつの単位として「1石」と定められました。
超入門!お城セミナー 第54回【歴史】:大名なのに城が持てない!? 「石高」とお城の意外な関係とは

一石はお米150kgです。お米10kg5,000円とすると、一石は(5,000円×150kg)÷10kg=75,000円。よってあくまでお米10kg5,000円とすると、一石は75,000円くらいになります。
石高(こくだか)換算表 - 戦国未満

石高は財力を表すと同時に、兵力の象徴でもあります。
米がそれだけ生産できるということは、それだけの兵を養えるということでもありますからね。

一石は大人一人が一年に食べる米の量に相当することから、これを兵士たちに与える報酬とみなせば、石高×年貢率と同じだけの兵士を養えることになる。つまり石高は戦国大名の財力だけではなく兵力をも意味していた。江戸時代の軍役令によると、大名は幕府の命に応じて表高1万石あたり概ね2百人程度の軍勢(非戦闘員を含む)を動員する義務を課せられていた。
石高 - Wikipedia

なので、10 万石の国が 1 万石の国と戦う場合。

10 万石の方の国は、「たった 1 万石の国に負けるわけがない!」って思っちゃいがちなんですね。

これがいわゆる「高を括る」というやつです。

 

しかし、石高はあくまで国力を計る指標の「一つ」であって、絶対のものではありません。

そりゃそうですよね。

兵の数がどれだけ多かろうと、武器や兵器の性能が悪かったり、兵の訓練や統率が充分でなければ、負ける可能性も大いにあります

 

「高を括る」というのは、このあたりのことを全く考えずに石高だけで戦力を判断してしまうこと

思考停止」と言い換えてもいいかも知れません。

 

言葉の由来がこんな感じなので、「高を括る」には「安易に予測」とか「見下す」といったニュアンスが含まれてるんですね。

 

どんなときも油断大敵。

思い込みや勝手な決め付けには気を付けましょう

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