いつどこでどんな風に聞いたのか、そのときの状況はまったく覚えていないんですが、とても印象に残っている話があります。
今でもふとした瞬間に思い出すことがあり、まるで反省を促されているかのような気持ちになるんですが……。
ということは、自分の精神状態があまり良くないときに思い出すということですねw。
どんな話かというと、「トイレの清掃員の心構え」です。
場面としては、清掃した直後にトイレを使われたとき。
普通ならそんなとき「せっかくきれいにしたのに」と思ってしまいがちですが、逆に、「あぁ、きれいな状態で使ってもらって良かった」と思うようにしている、というんです。
(「思うようにしましょう」だったかも知れませんけど)
「トイレの清掃員」が仕事の人は、トイレをきれいにすることが仕事ですから、「トイレがきれいになっている」が仕事のゴールになります。
だから、清掃した直後にトイレを使われてしまうと、自分の仕事がムダになったような気持ちになってしまうんじゃないでしょうか。
でも、視点を使う人へ移せば、きれいな状態で気持ち良くトイレを使えたんですから、決してその仕事はムダなんかじゃありません。
むしろ、清掃した直後ということは一番きれいな状態な訳ですから、使う人からするとラッキーと言っても良いくらいですよね。
僕はこの話を聞いたとき、本当に目から鱗がボロボロと落ちました。
発想の転換とはこういうものかと。
考え方や物事を見る視点を変えることで、同じ事実でも捉え方がここまで変わるものかと。
この話は、すべての仕事、あるいは、仕事以外のことにも共通していることではないでしょうか。
自分が誰かに何かをした(してあげた)とき、そしてそれがムダに終わったと感じたとき、「せっかく」と思ってしまいがちですよね。
しかし、そんなときも考え方を変えれば「勉強になった」「いい経験ができた」など、プラスの発想に切り替えられることがほとんどじゃないかと思います。
「どうすれば自分が気持ちよく、仕事や生活をすることができるか」。
なかなか難しいことですが、ときどきこの「トイレの清掃員」の話を思い返して自問自答しています。
まぁ、答えが出たことはないんですけどw。