笑っているその瞬間は、たぶんその人は何も考えていない。
ただ面白い。ただ楽しい。ただ笑いたい。
だから、笑う。
何も考えていないからこそ思い切り笑える。
逆に、いろいろなことをあれこれ考えながらだったら、腹の底から笑いきるのは難しい。
笑うことに罪悪感を感じているようだったら、それはもっと難しい。
もし誰か僕の笑い声を聞きたい人が居るなら、無理矢理にでも呼び出したらいいよ。
ガード下の薄暗い飲み屋でも、丸イスと丸テーブルしかないたこ焼き屋でも、なんならコンビニの前でタムロって缶ビールで酒席を設けるのもってのもいい。
僕はどこにでも行くさ。
僕を許してくれるところなら。
僕が笑ってもいいところなら。
僕の罪悪感を丸ごと抱き締めてくれるところなら。
僕が笑えるところなら。
ねぇ、笑わせておくれよ。