全国に先駆けてIT化を進めてきた(とニュースで言われている)佐賀県教育委員会のシステム「SEI-Net」が不正アクセスされたという事件について、いろいろ引っかかるところがあったので軽く調べてみました。
(気になったのは事件そのものよりシステムの方です)
»生徒の個人情報など流出か 不正アクセス容疑 佐賀の少年再逮捕へ | NHKニュース
まずはシステムの公式ページをチェック。
今のところ不正アクセスに関するアナウンスは特にないようです。
割と大きなニュースになってるんですけどねぇ。
これだけでもリスク管理のレベルは推して知るべし。
なんて言うか……、呑気だなぁ。
「よくこんな体制でこんな大きなことをやろうとしたなぁ」と思ったので、とりあえずシステムを作った業者を調べてみました。
すると、なんと凸版印刷!
超大手じゃないですか。
凸版印刷株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:金子眞吾、以下 凸版印刷)は、校務管理・学習者管理・教材管理が一体になったICT教育支援システム(以下 本システム)を国内で初めて構築し、佐賀県教育情報システム「SEI-Net(セイネット)」に提供。2013年4月1日より、校務管理システムの一部機能から運用を開始しました。
凸版印刷は本システムの他自治体への提供を、2013年6月より本格的に開始します。
凸版印刷|凸版印刷、佐賀県に提供したICT教育支援システムを全国に向け販売開始
他の自治体にも同じシステムを展開しているっぽいので、導入している自治体の人たちはチェック必須ですね。
どこまで波及するのか分かりませんけど、これは大変そうだ。
(ちなみに凸版印刷の方にも今回の不正アクセスに関するアナウンスは無し)
で、今回の不正アクセス云々は関係なく、割と当初からこのシステムには問題が多かったようです。
やっぱりというかなんというか。
とりあえず見つけたブログやらニュース記事やらを時系列で並べてみました。
- 佐賀の県立高校タブレット端末導入5万円払え事件を解説 - BTOパソコン.jp(2013 年 12 月 21 日)
- SEI-Netはバグやトラブルが多いです - 佐賀県ICT利活用教育の現場報告 - Yahoo!ブログ(2014 年 2 月 9 日)
- 佐賀県教委によるタブレット強制購入の脅威(最終回) - BTOパソコン.jp(2014 年 3 月 28 日)
- 佐賀県のタブレット導入の混乱原因|津田正顕 Shoken|note(2014 年 5 月 13 日)
- タブレット強制導入のICT利活用教育が予想通りひどい - BTOパソコン.jp(2014 年 5 月 16 日)
- 佐賀県立高パソコン授業の惨状(上) ― トラブル続出で授業は停滞|政治ニュース|HUNTER(ハンター)|ニュースサイト(2015 年 2 月 23 日)
- 佐賀県立高パソコン授業の惨状(下) ― 事業失敗 ツケは生徒に|政治ニュース|HUNTER(ハンター)|ニュースサイト(2015 年 2 月 24 日)
- 先生たちが語る佐賀県立校パソコン授業の惨状|政治ニュース|HUNTER(ハンター)|ニュースサイト2015 年 2 月 26 日
高校生の立場からツイートしているアカウントもあったので、そのまとめも掲載。
佐賀市教委「SEI-Net」について高校生からの報告ツイートまとめ。 - Togetterまとめ
ほんのちょっとググっただけでこれだけ出てきたので、ちゃんと調べたらまだまだありそうですね。
2ch とかにはもっと生な情報が載ってるんだろうなぁ。
あぁ香ばしい利権のニオイが……。
最後に、上に挙げたブログの一節がすべてを物語ってると思ったので、それを引用して終わります。
iPadと日本製タプレットに大きな性能差があるのは、業界の常識である。新規に作ったシステムにバグが大量に存在するというのも常識であり、新規システムにバグがないようにするのは現在のシステム開発では神業である。ただトップベンダーはバグを急速に減らす技術に長けていることで、新規システムやシステム更新を乗り越えている。
想像するに、目新しさを売りにしたい人々がベンダーに丸投げして勢いのみで導入したということが最大の混乱の原因だろう。
佐賀県のタブレット導入の混乱原因|津田正顕 Shoken|note