弱音を吐いたり愚痴ったりするにはどうしたらいいのか、どんなに考えても一向に分からない。
というのがすでに愚痴なのかも知れないけど、そういうことではなくて。
もっと心の奥底にあるドロドロしたもの、言ってみれば「心の闇」みたいなものを表出させるための方法が、まったく見当がつかない。
これまでに培ってきた知識と経験で、そういうものを奥の方へ封じ込める術は磨いてきた。
それなりに自信もある。
ただ、それとは逆に封じ込めたものを開け放つ方法ということになると、まるで役たたずというか無力さに苛まれるばかりで、闇の深さをただ眺めていることしかできないのだ。
この「心の闇」が外に出るのを妨げてる重厚な扉を開くことができるのは、僕ではなくで他人の誰かなんじゃないかという気がしてきた。