録画していた『マイケル・サンデル 5000 人の白熱教室』(E テレ)をようやく観ました。
6/16(土)に放送された前編「すべてをお金で買えるのか」と、 6/23(土)に放送された後編「これからの日本の話をしよう」の各 60 分。
前編のテーマは「市場原理をどこまで導入すべきか?」について。
後編のテーマは「原発再稼働」の是非やがれき処理など、日本が直面している課題(とその解決方法)について。
また、前後編を通して「民主主義」や「個人の意見の発信」もテーマとなっていように感じました。
いやー、難しい。
扱ってるテーマがテーマだけに、はっきりした答えがあるわけじゃないですから。
参加者全員で多数決を採ることも何回かあったんですが、「どちらか一方が圧倒的多数」という質問の方が少なかったように思います。
特に後編は現在進行形で、しかも自分たちの目の前に迫ってる問題ですしね。
観終わった今も後を引くというか、改めて「ちゃんと考えないとなぁ」と思わされました。
と同時に、ちょっとだけ視野が広がったというか、少しだけ深く掘り下げて考えられるようになった(部分も増えた)ような気がします。
あと、サンデル先生、相変わらず進行上手いッスね。
「信頼性」についての議論で意外だったこと、気になったこと
後編の途中で「信頼性」がテーマに挙がり、以下のような質問がサンデル先生から参加者へ投げかけられました。
「今後もし危機的状況が発生した場合、信頼できるのは政府か? あるいはブログやツイッターか?」
この質問で多数決を採ったところ、参加者の半分以上が「政府」と答えていました(6 〜 7 割くらい?)。
僕は完全に「ブログやツイッター」が多数派(7 〜 8 割くらい)だろうと思っていたので、かなり驚きました。
これがまず「意外だったこと」です。
まぁそれは「へー、そうなのか」で終わりだから良いんですが、重要なのはその後の参加者の発言。
「政府の方が信頼できる」という立場の人が、「ブログやツイッターを使う人たちは、発言に責任を持たなくても良い」ということを言ったんです。
けっこう若い人(20代後半くらい?)だったんですが、まるでそれが当然のこと、あるいは大前提であるかのように発言していました。
これが「気になったこと」。
というか正直、僕はこの発言を聞いたとき耳を疑いました。
ブログやツイッターを使って、責任を持って発言している人はたくさん居ますし、そういう当事者にとっては最大級の侮辱ですから。
この発言に対して、誰も何も反論しなかったのも不思議です。
「ブログやツイッターの方が信頼できる」という立場の人にも発言の機会が与えられたのに、「政府が発表することも官僚から上がってくるたくさんの情報から選んでるだけだから責任の所在がはっきりしない云々」的なことを言ってしまって、単なる水掛け論みたいになってたし……。
これが一般的な感覚なんでしょうか。
まだまだ「インターネットは匿名性が強くて好き勝手に言ってるヤツばかり」みたいに見られてるってことなんですかね(この発言のときに周りからも少しだけ拍手が起こってましたし)。
この部分は本当にすごく残念でした。
明確な反論がなかったことも、「(ブログやツイッターは)責任を持たなくても良い」と考えている人が(若い人でさえ)多く居るということも。
(反論したけど編集でカットされたのかな……。いやでもそんな風には見えなかったし……)
参考リンク
»NHK ハーバード白熱教室
»NHKオンデマンド ハーバード白熱教室
»マイケル・サンデル 5000人の白熱教室・後篇「これからの日本の話をしよう」書き起こし #nhk - Togetter