評価:★★★☆☆
テレビ放送(録画)で鑑賞。
「これで終わり!?」というのが率直な感想。
まさに「ここからどうなるか」と思ったところで終わってしまったので、何とも中途半端で肩透かしを食らった気分になった。
それまでの内容で作り手の意図や考え方は充分伝わるし、結論は観客に委ねようということなのかも知れないけど、せめてもう一つ展開が欲しいところ。
劇中の議論は、見応えはあるけど、偏りがあるというか中立性に欠けるというか。
メディアを利用した(政府の)プロパガンダを批判的に描いてるけど、この作品自体がそれをやっちゃってるんじゃないのかなぁ。
それも含めて皮肉なのだとしたら、それはそれで面白いけど、そこまでの意図はないような気がする。
トム・クルーズとメリル・ストリープの議論(インタビュー)を通して、プロパガンダを行った政府だけじゃなく、それに加担した(ろくに確かめもせず政府からの情報を垂れ流しにした)メディアの責任に言及してるのは面白かった。
タイトルは原題の「LIONS FOR LAMBS」を生かした方が良かったんじゃないかなぁ。
原題を直訳すると「羊のためのライオン」。
第一次世界大戦でドイツ兵がイギリスの兵士たちを褒め称えた詩が元になっている(と劇中ではなっている。軍に志願した学生をロバート・レッドフォードが説得してるシーン)。
勇敢な兵士たちが「ライオン」、それを率いるバカなお偉方が「羊」。
こっちの方が立場とか関係性が分かりやすくて良いと思うんだけど。