いくら考えてもよく分からないんですよね。
一つの案に絞ることを法定協議会で反対されたから、自分の考えているスケジュールで進められなくなった。
→自分の考えを後押ししてもらうために民意を得たい。そのために選挙を行う。
→当選したら法定協議会の反対に関係なく「市長の権限で」大都市局に一つの案に絞った設計図作りを指示する。
→この選挙は大阪都構想の設計図作りを進めても良いかを問うもの。
→設計図が出来たら府民・市民に説明して回る。大阪都構想の是非はその後の住民投票で決める。
→でも、前の選挙で「大阪都構想を推進しても良いよ」っていう民意を得て大阪市長に当選したんよね?
→しかも、その市長の権限で(=選挙しなくても)大都市局に指示することが可能なんよね?
→だからこそ市議会選をやる必要はない(=市議会の承認や議決は要らない)し、設計図作りには今のままでも何の問題も障害も無いよね?
→だったら、何で今回また選挙する必要があるの? その必然性はどこにあるの?
というのが僕の頭の中で展開しているだいたいの内容です。
フツーに考えて、「大阪都構想の設計図作りを進める」だけであれば、今回の選挙は必要ありません。
橋下さんは「大義はある」と言ってますけど、いやー……、疑問です。
「(選挙をせずに市長権限で事を進めたら)それこそ独裁になる」とも言ってましたけど、じゃあ今までやってきたのは何だったのかということになりますからね。
大阪都構想だけは特別なのかも知れませんが、最終決定の是非ならともかく、住民に説明するための資料を作ることの是非を問われても。
「任期中に住民投票まで持っていく」ということにこだわってるのもよく分かりません。
本当に実現しないといけないことなら、次の任期や次の市長が進めていけるような下地をしっかり作っておく、という考えの方が自然だし納得できます。
でも「それが(市長選のときの)公約だから」という理由で、今の任期中に全てを終わらせようとするのは、ちょっと事を急いているような気がしますね。
「公約というなら、その選挙で獲得した権限を行使して粛々と進めれば良いのでは?」とも思います。
「別の人が府知事と市長になったら、また以前のような二重行政に戻ってしまう」という発言もよく聞きますが、だったらなおさら選挙なんかしてないで、市長および府知事の権限でできることを進めてしまって、別の人になっても元の二重行政に戻らない仕組みを作ることが先決なんじゃないかと思うんですけどね。
というか、それでこそ公約が実現したと言えるような気がするんですが。
橋下さんからすれば「だからこそ大阪都構想を実現しないと」ってことになるんでしょうけど、それならこんな選挙なんてせずに……と結局同じところに辿り着いちゃうわけで。
フツーに考えたら、やっぱり何かおかしいですよ。
不自然というか、違和感があるというか。
で、それを敢えてやってきたということは、何かウラがあるのかなぁ、と思ってしまう訳です。
「何があるんだ?」と言われると「いや、それは分からないけども」としか答えられませんが。
なんとなく国政絡みじゃないかなぁ、という気はしてます。
東京(元「太陽の党」系)と大阪(元々の「維新の会」)が分裂状態ってのはよく聞く話ですし。
これから野党再編に向けた動きも出てくるでしょうから、色んな思惑が渦巻いているのは確かだと思います。
そういえばこの出直し選について結いの党(というか江田さん)は何も動きが見られませんね。
まぁ所詮は地方の市長選挙ですから、いちいち国政政党が関わってくるようなことじゃないのかも知れませんけど。
再来年の夏頃に衆参ダブル選挙がある(と言われている)ので、それに向けた準備とか色々あるんじゃないですかねぇ。
極端な話、例えば「この選挙で落選したら思い残すことなく国政に集中できる!」という橋下さんに対して、他の党は「そうはいくか! 大人しく市長やっとけ!」という感じ、とか。
とにかく、今回の辞職→出直し選は、見えないところで何かが動いているように思えてならんのです。
本当に心配になってきた。
大丈夫か、大阪。