評価:★★★★★
映画館(テアトル梅田)で鑑賞。
不思議な感触の映画だった。
リアルなんだけどファンタジーのようでもあり、物語なんだけどドキュメンタリーのようでもあり、何かを残されたんだけど何かを砕かれたようでもあり。
「面白かった」とは言い切れないけど「いい映画」とは思った。
最近は女性の書いた物語に触れることが多かったけど、久しぶりに男目線の物語をがっつり観た気がする。
妙な安心感があったのはそれか。
聡も女性が書いたらあんな感じにはたぶんならない。
男の理想というか、「ちょうどいい」感じ。
うまい具合に引っ張っていってくれるし、自分の過去を暴露するきっかけも与えてくれる。
面倒くさくて扱いづらいけど、お伽噺に出てくるような不思議な魅力の持ち主。
それを出現させてしまう蒼井優はやっぱり半端ないです。
「お魚みるー?」のシーンでけっこうな数の人から笑いが起こってた。
いやいや、笑えない。全然笑えない。
むしろ息を呑むシーンだと思うんだが……。
そういうシーンが他にもいくつか。
森が暴れ回るシーンでノミを掴んだ瞬間もなぜか笑いが。
あれが可笑しく見える人も居るのか。
感じ方って人それぞれだなぁ……。(特に男女差……)
ほんの数秒しか映ってない森の母親のディテールがあまりにリアルで、それだけでちょっと泣きそうになった。