あ……ありのまま、今起こった事を話すぜ!
バイトを募集していたお店に、昼前に電話したんだ。
そしたら「今から来れますか?」ってことになって、履歴書も持たずに俺はそのお店に乗り込むことになった。
質問とか何もまとめられないままだったが、これは行くしかねぇと思って覚悟を決めたのさ。
裏の倉庫みたいなところで面接は始まった。
社長とおぼしき人ともう一人の担当者らしき人と俺と 3 人での話し合い。
始まってすぐ分かったよ。
この人たちは俺を採用する気だってね。
なぜなら人が立て続けに辞めちまったせいで、人が足りなくて相当困ってたみたいだからな。
だから俺の実力や経歴を全面的に買ってくれたわけじゃないんだが、それでもまぁこっちは仕事ができて給料がもらえるなら文句はない。
あちらだっていくら急場しのぎでもダメな奴は採用しないだろうしな。
そんで早速来週の休み明けから出勤することになっちまった。
これまでの苦労が何だったんだってくらいのトントン拍子だぜ。
決まるときはこうもあっさり決まるもんなんだな。
面接が終わったのは 12 時半にもなってなかったはずだ。
電話してから 1 時間だぜ? たった 1 時間。
これまでいくつも応募や面接をしては、その数日後に不採用になって、そしてまた応募して……。
ようやくそのサイクルから脱出するときが来たんだぜ!
面接で話した限りでは、職場の人たちも良さそうな雰囲気だったしな。
あとは午前中から働くのがかなり久しぶりというのが心配といえば心配だが、まぁ慣れれば大丈夫だろうよ。
さぁ、こうなったからにはバリバリ稼ぐぜ。
とりあえず、たまには飲みに行ったり外食したりすることが出来るくらいにはなりたいところだな。
これまでとはまったく違う生活が来週から始まるんだな。
気合入れていくぜ!