タイトルの通り、いろんな有名・人気番組を「つくった人」のインタビューをまとめた本です。
藤村さんも「『水曜どうでしょう』の」という括りで登場しています。
藤村さんの話を読むのが目的で購入したんですが、他の人の話も大変面白く読めました。
文字は大きく文章も長くないので、サラッと読めます。
インタビュー部分も面白いんですが、各章の導入部の文章(煽り?)が良い味を出してます。
ただ、インタビュー部分の文章は、話し言葉としては不自然なほど丁寧。
少なくとも藤村さんは他の本や「悩むだけ損!」とまったく違っているので、他の人も含めてかなりリライトされていると考えて間違いないでしょう。
もちろん内容が大きく変えられたということはないはずですが、話している人の「温度」というか「熱量」みたいなものは伝わりづらくなっています。
やや体裁を整えすぎたような感じなのが残念なところ。
テレビの中の人も、「今のままじゃテレビ(業界)は危ない」という意識は等しく持ってるんですね。
この本を読んだ限りにおいては、ごく少数だけがそういう意識を持っているいうことではなく、既に業界全体に行き渡っているようです。
それでも変わらない(変えられない)のは、テレビという業界や企業が巨大になりすぎて自浄作用が働かないのか、権限を握っている上層部が変革に後ろ向きなのか、それともまだまだ現場の危機意識が足りていないのか。
理由はいろいろあるでしょうけど、それでもこういう「普通」の感覚を持った人たちが業界のリーダー的存在であることは一つの希望かと。
NHK の人に話を聞いていないのがちょっと不満というか残念。
今のテレビで一番チャレンジングなのは NHK(特に E テレ)だと思うんですけどねぇ。
そこら辺に関わってる人たちの話も読んでみたかったなぁ。
何だかんだでテレビはまだまだ強大な力を持ったメディアです。
それだけに、力の使い方を間違えるととんでもないことになります。
そして、今、そうなりかけているような気がします。
これからテレビはどうなっていくんでしょうか。
正しい方向へ進んでいくことを切に願います。