日本テレビの大久保好男社長は27日の定例記者会見で、児童養護施設を舞台にした連続ドラマ「明日、ママがいない」が病院や養護施設団体などから抗議を受けていることについて、「重く受け止めているが、最後まで見ていただければ制作意図はわかってもらえる」と述べ、第3話以降も放送を続ける考えを明らかにした。
ドラマは全9話。佐野譲顕(よしあき)制作局長は、抗議を受けたあとで22日に放送された第2話も、内容に変更はなかったといい、今後も「ストーリーは完成している。脚本、演出に大きな変更はなく、最後までいけると確信している」と述べた。
これで全社がCM放送を中止または見合わせることになった。
これ、何気にすごいことなんじゃないでしょうか。
だって、もしこのまま全話放送できたとしたら、「スポンサーが無くても番組は作れる」ということになるわけですから。
(まぁ「番組単体では赤字でその分を他から補填する」という形になるのかも知れませんけど)
東日本大震災が発災した頃の CM 放送自粛とは明らかに意味合いが違います。
今回はスポンサーが「こんな番組に金なんて出せるか!」と言っていて、それに対してテレビ局が「あんた方の資金提供が無くてもうちは自前で番組作って放送しますから!」という姿勢で臨んでいるわけで。
日テレというテレビ局自体は個人的にあんまり好かんのですが、この姿勢は応援したいですね。
是非とも突っ張ってほしいものです。
(そして内容に対する批判に対しても真っ正面から受け止めてほしい)
もうそろそろスポンサーありき(=視聴率最優先)な構造が崩れても良い頃だと思うんですけどねぇ。
そうすれば視聴率に録画は含めない(CM がスキップされるから)なんてしょうもない慣習も廃れていくはずですし。
DVD とかオンデマンドとか、その他にも新しいビジネスモデルはいろいろありそうですけど。
テレビ局って高学歴の賢い人たちの集団なんですから、誰も何も思い付かないなんてことはないと思うのです。
何かが起こらないと既存のシステムを変えることは難しいですが、その「何か」が起こったんですから、これを突破口にするような動きが出てこないかなぁ、と密かに期待しています。
さすがにいきなり全部の番組では無理でしょうけど、「スポンサー無しの枠を一つ作ってみる」とか。
できないのかなぁ。
[1 月 30 日追記]
日本テレビの連続ドラマ「明日、ママがいない」(水曜後10・00)の内容改善を求めていた全国児童養護施設協議会は30日、同局が番組内容を変更する方針であることを明らかにした。
ドラマの影響が及んだ子どもたちの具体例を含んだ抗議書が前日29日に送られたことを受け、日本テレビの佐野譲顕制作局長らが東京都千代田区の同協議会を訪問。「申し入れを真摯に受け止め、改善を検討したい」と説明した。2月4日までに、具体的な変更点を提示するという。
あらあら。